トルコのLGBT難民

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トルコ在住のイラン人同性愛者の難民から教えてもらいました。

トルコに避難したLGBT難民はケニアに避難したLGBT難民の二倍くらいいますが、ほとんど第三国定住プロセスは停止しています。

UNHCRや受け入れ側の国の判断としてもトルコよりケニアのほうが危険とみなされ、ケニアからの人数を増やしたようです。

たしかに、逮捕率はケニアのLGBT難民のほうが圧倒的に多いです。難民生活中でUNHCRに登録してあるにもかかわらず、LGBTだという理由でケニアでも逮捕されるからです。

しかし、自殺率はトルコのほうが高いかもしれません。第一庇護国(第二ホスト国)に最初に避難したLGBT難民を比べると、アフリカより中東のほうがメンタルの状態が悪い様に感じます。

トルコのLGBT難民の問題点は医療費が自費になること。就労許可は出ず、あくまで違法就労しかないことです。10年近く難民生活を生活をしている方がかなりいるようです。先が見えない生活と、いつイランに強制送還されて死刑になるかという恐怖でメンタルは悪化します。第三国に行けない限り強制送還はあり得ます。

もう一つの問題点は英語で発信できる方が少ないことです。ケニアに集まるLGBT難民は、ウガンダ人、スーダン人、エチオピア人、ルワンダ人は英語で発信できるので欧米LGBT当事者に個人的なスポンサーになってもらうことが可能です。コンゴ人ブルンジ人もフランス語でスポンサーを探すことが可能です。

トルコやヨルダンのLGBT難民はもっぱらグーグル翻訳に頼っています。(日本で難民認定されたイエメン人同性愛者の方はヨルダンでスマホの音声入力によるグーグル翻訳が上手くなりすぎて、なんで日本でも音声翻訳で仕事ができないのかといい、音声入力がうますぎるせいで日本語を学ぶ意欲が低下しているという笑えない状況ですが)

ペルシャ語と片言の英語、アラビア語と片言の英語というのがコミュニケーション手段です。

トルコのイラン人同性愛者はトルコ人のLGBTグループとつながりを持つのも困難だといいます。トルコ語が話せないため片言の英語しかコミュニケーション手段がないからです。

ケニアでは地元のケニア人LGBTとウガンダ人LGBT難民はお隣さんのように話せるし、南スーダン人ともお隣さんのように話せます。

そのような違いが中東のLGBT難民に閉塞感を与えているようにも思います。

 

逮捕率の話に戻りますが、アフリカ人は自分らしさを隠すことが出来ないという素晴らしい特質があるため逮捕率も高くなるのでしょう。

ほとんどのアフリカ人LGBT難民は10代のうちにセクシャリティーをアウティングされ暴行または逮捕されてしまいます。

一方セクシャリティーを隠さなければならないという固定概念が強く実際隠すことが出来てしまう中東のLGBT難民は最初にアウティングされるのが30代という方も結構います。

難民生活がアフリカ人は20台前半、中東の方は30代中ごろになってしまうのもメンタルの回復力の違いに影響を及ぼすと思います。

日本のLGBT当事者も若い方はセクシャリティーをオープンにしたほうが良いと考え、年配の方は最後まで隠すべきと考える傾向がありますが、どちらが自殺率が高かったと言えばやはり隠すべきと考えていた世代です。