トランスジェンダーの英語

ウガンダではトランスジェンダーが最も低学歴です。

早い子は小学生低学年で、なよなよしているから恥ずかしいから学校に行くなと親から言われてしまい、家族の手伝いだけしかしてこなかった子が何人かいます。

学校教育は小学生から英語で行われるので小学校を卒業していれば英語は話せます。しかし、家族とルガンダ語しか使わなかった子は英語が話せません。将来家族から見放され、一人で生活するようになっても友達に英語をすべてルガンダ語に訳してもらって生活するようになってしまいます。

難民生活を数年続けても友達に翻訳を完全に依存してしまい、英語が使えないままのトランスジェンダーとなります。

2018年そんなKさんはわたしとカクマキャンプで約束しました。

”カナダに行ったら半年で英語をマスターするから見てて”

わたしは、カクマキャンプで時間が余っているので彼女に英語を勉強をするように勧めていたのですが、彼女はカナダですぐ上手くなるから勉強しなくていいんだというのです。(実際フランス語が母国語の難民もカクマキャンプで自力で英語をマスターする人もいます)

先日、カナダで半年くらい生活したKさんとビデオチャットしました。会話は上達していて、わたしの下手な英語と同じくらいになっていました。

でも送られてきたテキストメッセージは、まだ英語を書くのはだめで手伝ってもらっているとのことでした。

そんな彼女はもうバスの清掃の仕事をしています。

(カナダ政府とUNHCRによる第三国定住なので、着いたらすぐ仕事の許可がでます。またカナダ政府が難民に教育費も払っています。日本ではLGBT難民に第三国定住がないので、すぐには働けないし勉強もボランティアに頼ることになります。正規ルートの確保が急務です)

コロナ禍でもカナダなら仕事があるようです。

日本では日本語が彼女の英語と同じくらい片言話せてもコロナ禍では外国人に仕事はありません。

(それだけ日本語の勉強に時間をかけないといけないわけで身分が保証されて勉強もできる第三国定住制度がLGBT難民にも必要です。また私が第三国定住にこだわる理由はトランスジェンダーの難民の医療費の問題です。多くのトランスジェンダーはHIV+なので難民認定までの最短半年の間にも治療が受けられずに死んでしまいます。半年でも長すぎるのです。中東出身のゲイはほとんどがHIV-なのですが、アフリカのトランスはHIV+がほとんどだということを考慮すべきなのです。)

カナダのKさん 2020年12月

 

カクマキャンプでトランスフォビックな他の難民によって切り付けられ30針以上縫合する重症を負ったKさん 2017年

カクマキャンプでのKさんとの出会い 2018年

 

彼女の明るい性格に周囲の人は必ず癒されています。