4月13日の午後(ナイロビ現地時間午前中) 多くのLGBT難民から同じような写真と動画がたくさん送られてきました。
それは木の高いところで首を吊って亡くなっている若いウガンダ人男性の写真で、下から撮影した動画も多数送られてきました。
わたしは、それがLGBT難民ではないと思いたかったのですが、やはりウガンダ人ゲイ男性でした。
彼は、カクマキャンプで他の難民にナイフで刺されたとき、わたしが治療費を支援したこともある難民でした。
2018年12月UNHCRはカクマキャンプで虐待されてきた200人のLGBT難民をナイロビに運びましたが、経済支援は期限付きのものでした。
1年以内に第三国に移住できたものが半数くらいいましたが、半数程度は、2020年1月を迎え、UNHCRの経済支援を打ち切られました。
2020年2月以降、多くのLGBT難民がナイロビでホームレスになりました。
わたしたち海外LGBT難民支援者は、UNHCRのような資金源はなく、救えないLGBT難民が続出しました。
彼はそのうちの一人でした。
運の悪いことにCOVID19のせいで、友人の難民の家に泊めてもらおうとしても、感染防止のため小さい家に三人以上で住むとすぐ逮捕されるようになったので、友人の家にも泊めてもらえませんでした。
彼はイースターの次の日なら、UNHCRは助けを求める彼の声に耳を傾けるだろうと月曜の朝UNHCRを訪れました。
しかし、UNHCRの多くの職員は、まだイースター休暇中。そしてCOVID19のこともあり、ほとんどの業務は停止中です。
彼の窮状を聞くUNHCR職員は誰もいませんでした。
そして、セキュリティーガードが、彼を執拗に叩きました。
彼が叩かれているのを目撃した人がいるようです。
その後、彼はUNHCRから見える位置の木の上のほうで首を吊って死にました。
非常に高い位置で首を吊っているので、殺人事件ではないかと疑っている欧米のLGBTI難民支援者は多いです。
しかし、ケニア警察によって事件の真相は葬られました。
ベスは犠牲者と生まれ故郷が近いので、懸命にセキュリティーガードに抗議しました。
Desperate LGBTQ refugee hangs himself outside U.N. agency in Kenya
UNHCRはすぐLGBT難民に自死した難民の写真や個人情報を公開しないようにというメールを送りましたが、LGBT難民自身がやっている団体が彼の写真と個人情報を公開しているのは、UNHCRは今までもたびたびLGBT難民に対する他の難民からの暴力や警察からの暴力を隠してきたからです。悲惨な事件が起こってもそれがなかったことにされるのをLGBT難民たちは最も恐れています。
Abused refugee hangs himself outside UNHCR office in Nairobi
UNHCRのセキュリティーガードが彼に対して行った暴行の傷
わたしは検死を希望したグラハムの長い友人なのでここに証拠となる写真を残します。
検死ではUNHCRセキュリティーガードの暴行による傷はないものとされてしまいました。