アフガニスタンのレズビアン

RRCJは2019年からケニアカクマキャンプに逃げてきたアフガニスタン人レズビアンzさんを支援しています。連絡を続け精神的に励ましています。

彼女は現在のようにタリバンが復活する以前高校に通うことができました。学費の一部を使って航空券を買ってケニアに来たのです。ビザが取れるのはケニアだけだったそうです。当時、男性同性愛者はアフガニスタンから陸路でトルコに行くことも不可能ではありませんでしたが、当時でも女性が一人でバスに乗ると国境付近でタリバンに捕まるので不可能だったようです。

彼女が脱出を決意したきっかけは同じレズビアンがタリバンによって火あぶりの刑で焼き殺されるのを見たからだそうです。同性愛者は石打で殺されるのが一般的ですが、タリバンは火をつけて殺したそうです。また、イスラム教では男性同性愛者は死刑でも女性同性愛者(レズビアン)は大丈夫のはずなのですが、タリバンは違うそうです。

彼女はハザル人で日本人と顔立ちがよく似ています。そのためわたしにとってもタリバンの迫害は現実的に感じるようになりました。ハザル人はアフガニスタンでは少数派でタリバンを構成する多数派の人たちとは人種が違うため標的されやすいとも言っていました。彼女によるとタリバンは”貧困と女性にセックスの強制”しかもたらさないそうです。

おそらく彼女のようにハザル人のレズビアンがアフガニスタンの女性の中でももっとも死刑になる可能性が高いのだと思います。

彼女はケニアカクマキャンプでも他のムスリムに首を絞められて殺されそうになったり、腕の骨を折られました。国連は特別にLGBT難民を守っているわけではないからです。たしかに彼女のヒジャブのつけ方はすこし乱れていました。そんな余裕はないからだとわたしは思っていたのですが、そうではなくハザル人であることと、レズビアンであることが関係していたのかもしれません。キャンプで暴力を受けた原因は”ムスリムらしくない”からだったそうです。

 

もし、タリバンが弱体化したままだったら、ハザル人のレズビアンはアフガニスタンでもっとも女性の人権に敏感な人たちでアフガニスタンを長期的に変えることができた存在だったかもしれません。

しかし、タリバンの復活によりアフガニスタンの同性愛者は次々と殺されていくことになるでしょう。脱出も不可能になります。

現在、zさんのお母さんもガールフレンドもアフガニスタンで行方不明になっています。

zさんの目撃によるとタリバンによるレズビアンの処刑はちょうどこの絵のように火で燃やされていたそうです。